イリザロフミニ創外固定器による手指変形治癒・交差指の矯正
イリザロフミニ創外固定器による手指変形治癒・交差指の矯正
治療前の状態(Before treatment)
手指骨折後に**変形治癒(Malunion)が生じると、
指を曲げた際に隣の指と交差する状態(交差指:Scissoring finger)**がみられることがあります。
症例写真では、
- 握ろうとすると指が重なり合う
- 指の向きが明らかにずれている
- 力が入りにくい
といった状態が確認されます。
このような変形は、**回旋変形(Rotational deformity)**が主な原因です。
手術と矯正の様子(During treatment)
イリザロフミニ創外固定器(Ilizarov mini external fixator)を使用した治療では、
- 約1cm程度の小切開
- 近位指骨(Proximal phalanx)への細径ピン挿入
- 最小侵襲での矯正骨切り(Minimally invasive corrective osteotomy)
を行います。
症例写真では、創外固定器によって
骨の角度・回旋・長さが三次元的に調整されている様子が確認できます。
治療後の状態(After treatment)
治療後は、
- 指の交差が解消
- 指の動きが自然にそろう
- 握る・つまむ動作が改善
といった変化が得られます。
瘢痕(scar)も小さく、整容性(cosmesis)に優れる点が特徴です。
② 従来法との比較図表
イリザロフミニ創外固定法 vs 従来の内固定手術
| 項目 | イリザロフミニ創外固定器 | 従来法(プレート・スクリュー固定) |
|---|---|---|
| 手術侵襲 | 小切開(約10mm) | 比較的大きな皮切 |
| 固定方法 | 創外固定(External fixation) | 内固定(Plate / Screw) |
| 回旋変形の調整 | 術中・術後に微調整可能 | 術中のみ |
| 腱癒着リスク | 低い | 比較的高い |
| 骨膜温存 | 可能 | 困難なことがある |
| 抜去手術 | 不要 | 必要な場合あり |
| 術後可動域訓練 | 早期開始可能 | 制限されることがある |
| 瘢痕 | 小さい | 目立つことがある |
| 若年者への適応 | 非常に適している | 慎重な判断が必要 |
③ 患者さん向けQ&A
手術・固定・日常生活について
Q1. この治療はどのような人に向いていますか?
手指骨折後に、
- 指が交差する
- 握りにくい
- 見た目が気になる
といった症状がある方に適しています。
特に、思春期・若年者や、早期の機能回復を希望される方に向いています。
Q2. 手術は痛いですか?
手術は麻酔下で行うため、手術中の痛みはありません。
術後の痛みも比較的軽く、痛み止めで十分コントロール可能です。
Q3. 固定器をつけたまま日常生活はできますか?
はい、可能です。
固定器は小型で、日常動作や軽作業は手術翌日から可能です。
ただし、強い衝撃や激しいスポーツは制限されます。
Q4. 固定器はどのくらいの期間つけますか?
通常、約6週間程度装着します。
骨癒合(Bone union)が確認でき次第、外来で除去します。
Q5. 固定器を外すときは再手術が必要ですか?
いいえ、必要ありません。
局所処置で短時間に除去可能です。
Q6. 傷あと(瘢痕)は目立ちますか?
皮切が非常に小さいため、
傷あとが目立ちにくいのが大きな利点です。
Q7. 合併症はありますか?
まれに
- ピン周囲の軽い感染(Pin-tract infection)
がみられることがありますが、
多くは消毒や内服治療で改善します。
Q8. 手術後はリハビリが必要ですか?
はい、必要です。
ただし、手術直後から指を動かせるため、
関節拘縮を起こしにくく、スムーズな回復が期待できます。
当院からのメッセージ
イリザロフミニ創外固定器を用いた治療は、
**「機能の回復」「見た目の改善」「早期復帰」**を同時に目指せる治療法です。
カラムス千駄木クリニックでは、
一人ひとりの手指の状態を丁寧に評価し、
最適な治療法をご提案しています。
手指の変形や動かしにくさでお悩みの方は、
どうぞお気軽にご相談ください。