レイノー現象(Raynaud phenomenon)
レイノー現象とは
**レイノー現象(Raynaud phenomenon)**とは、寒さや緊張(ストレス)をきっかけに、指先や足先の血管が一時的に強く収縮し、血流が悪くなる状態を指します。
その結果、指の色が白・紫・赤へと変化し、しびれや痛みを伴うことがあります。
特に女性に多く、若年者から中高年まで幅広い年代でみられます。
また、**全身性硬化症(Systemic sclerosis)**などの自己免疫疾患と関連して起こることもあります。
レイノー現象が起こる仕組み
通常、寒さを感じると体は血管を適度に収縮させて体温を保ちます。
しかしレイノー現象では、この反応が過剰に起こります。
- 指先の細い血管(末梢血管)が強く収縮します
- 一時的に血液が流れにくくなります
- 指先の皮膚や神経が酸素不足になります
この血流障害が、色の変化や症状の原因となります。
指の色の変化(典型的な3段階)
レイノー現象では、以下のような色の変化が順番に現れることがあります。
| 皮膚の色 | 状態 |
|---|---|
| 白(White) | 血流が遮断され、指先が冷たくなります |
| 紫(Blue) | 酸素不足により、紫色になります |
| 赤(Red) | 血流が回復し、ほてりや痛みが出ます |
すべての段階が必ず起こるわけではありません。
主な症状
- 指先や足先が白くなる、紫になる
- 冷感、しびれ、チクチクした痛み
- 血流が戻る際のズキズキする痛み
- 重症例では、**皮膚潰瘍(Skin ulcer)**や傷が治りにくくなることがあります
レイノー現象の種類
レイノー現象には2つのタイプがあります。
① 一次性レイノー現象(Primary Raynaud phenomenon)
- 他の病気を伴わないタイプです
- 比較的若い女性に多く、症状は軽いことが多いです
- 指の潰瘍などは通常みられません
② 二次性レイノー現象(Secondary Raynaud phenomenon)
- **膠原病(Connective tissue diseases)**などの病気に伴って起こります
- 全身性硬化症、全身性エリテマトーデスなどが代表的です
- 血管障害が強く、皮膚潰瘍や壊死を起こすことがあります
診断
診断は、以下を総合して行います。
- 症状の経過や誘因(寒さ・緊張)
- 指の色調変化の有無
- 必要に応じて血液検査(自己抗体)
- 爪の付け根の毛細血管を観察する検査(Nailfold capillaroscopy)
治療について
生活指導
レイノー現象の治療では、まず生活上の対策が重要です。
- 手袋や靴下で手足を冷やさない
- 冷房対策を行う
- 急激な温度変化を避ける
- 禁煙(喫煙は血管を収縮させます)
薬物療法
症状が強い場合は、以下の薬を使用することがあります。
- 血管を広げる薬(Calcium channel blockers など)
- 血流を改善する薬
基礎疾患がある場合は、その治療も並行して行います。
受診の目安
次のような場合は、医療機関への相談をおすすめします。
- レイノー現象が頻繁に起こる
- 指先に傷や潰瘍ができる
- 痛みが強く、日常生活に支障がある
- 皮膚が硬くなる、関節痛があるなど他の症状を伴う
まとめ
- レイノー現象は、血管の過剰な収縮による血流障害です
- 寒さや緊張がきっかけで起こります
- 背景に病気が隠れている場合もあるため、注意が必要です
- 早めの対策と適切な診察が大切です
クリニックからのメッセージ
「ただの冷え症」と思っていた症状が、実はレイノー現象であることも少なくありません。
気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。