小児上腕骨顆上骨折(患者さん向け)
上腕骨顆上骨折(英語:supracondylar humerus fracture)について、保護者の方に向けた分かりやすい説明です。肘の近くで起こる代表的な骨折であり、早期に適切な対応をすることで良好な回復が期待できます。
どのようなけがですか?
- 骨折の場所:上腕骨(腕の骨)の肘に近い部分が折れるケガで、子どもの肘の骨折の中でも最も多いものの一つですchildrenshospital.org。
- 原因:多くは、転んで手を伸ばして地面についた時(“フォッシュ”:FOOSH)や、直接肘をぶつけた時に起こりますchildrenshospital.org。
- 年齢:2〜8歳のお子さんに多く見られますmontrealchildrenshospital.ca。
主な症状
- 肘周囲の痛みや腫れ、動かしにくさ。
- 手や腕がしびれたり青白く見える場合は、神経や血管が圧迫されている可能性があるので、すぐに医療機関を受診してくださいrch.org.au。
治療の種類
骨のズレ具合によって治療法が決まります。
- 非転位(ズレがない)骨折
- 骨が割れても位置がズレていないタイプで、3〜4週間ギプスやスリングで固定しますchildrenshospital.org。
- 定期的にレントゲンで骨の位置を確認しますchildrenshospital.org。
- 転位(ズレがある)骨折
- 骨がズレたり傾いたタイプで、ずれた骨を元の位置に戻す処置(整復)が必要ですmontrealchildrenshospital.ca。
- 多くは皮膚を切らずに骨を戻し、数本のピンで固定しますmontrealchildrenshospital.ca。
- ごく稀に、皮膚を切って骨を整復する手術が必要になることもありますmontrealchildrenshospital.ca。
いずれの場合も、治療後はギプスやスリングで腕を保護しますrch.org.au。
おうちでのケア
キャスト・スリングの扱い
- ギプスやスリングは医師の指示どおりに着け、濡らさないようにしてくださいrch.org.au。
- かゆみがあっても、ものを差し込んで掻かないようにしましょうrch.org.au。
腫れと痛みへの対応
- 最初の数日は痛みが強く出やすいので、医師と相談のうえ、決められた鎮痛剤(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)を定期的に服用しますrch.org.au。
- 腕や手を心臓より高い位置に保ち、指先まで血液が行き渡るようにしましょうrch.org.au。
指の動きと血流の確認
- 指の色(蒼白や青紫になっていないか)、温かさ、感覚、動きが正常かを定期的にチェックしますmontrealchildrenshospital.ca。
- 指を時々曲げ伸ばしさせると、血流が良くなり腫れも抑えられますmontrealchildrenshospital.ca。
入浴と生活
- お風呂はシャワーやスポンジ浴で、ギプスを濡らさないように注意しますmontrealchildrenshospital.ca。
- ピンやギプスが入っている間は運動や遊具、接触スポーツを控え、転倒や直接の衝撃を避けますchildrenshospital.org。
いつ受診するべき?
次のような時は、すぐに病院へ連絡してください:
- 指が青白い・冷たい、しびれがある、動かせないrch.org.au。
- 腫れや痛みが急に強くなったり、発熱や発赤があるchildrenshospital.org。
- ギプスがきつすぎる、ゆるい、割れてしまったrch.org.au。
完治までの流れ
- 固定期間は通常3〜4週間で、その後レントゲン撮影をして骨の状態を確認しますchildrenshospital.org。
- ピンを使用した場合は、外来で抜去しますchildrenshospital.org。
- ギプスを外した後は数週間で腕の機能が戻り、通常は特別なリハビリを必要としませんchildrenshospital.org。
適切な治療と経過観察により、多くのお子さんは元通りの生活に戻れます。心配なことがあれば、遠慮なく医師に相談してください。